「祈りの紙々展」の記録としての写真集「old paper」が出来上がりました。 「古い紙モノ」写真集であることの意味から、かつて書物の装丁がオーダーメイドだった時代にならって、 本紙を折ったままの状態で綴じた「フランス綴じ」という製本で作りました。 写真解説のテキストは、その折り綴じられた内側にありますので、ペーパーナイフ等でカットしていただかなくては読むことができません。 手間はかかりますが、少しでも紙とふれあう時間を楽しんでいただきたいと考えました。 本紙には、繊維が長く、裁断部が毛羽立ちやすい紙を使用していますので、切り跡がボソボソした風合いになるのもおもしろいのではないかと思います。 ペーパーナイフをお持ちでない方は、敢えてカッターナイフの背の部分を使って裁断していただくことをお薦めします。 この写真集の装丁デザインは、前回「白磁」のときと同じくサイトヲヒデユキさんにお願いしました。 サイトヲさんの装丁には、「モノ」が、本という別の「モノ」のかたちに変わった時にも、 もともとの「モノ」の意味がやはりちゃんと表れていることに、いつも感心してしまいます。 アンダートーンの大沼ショージさんの写真とともに、本の力を感じていただければと思います。 ![]() 和紙の表紙カバーには、裏刷りの文字が透けて見えるしくみ。 折り線など、ひとつずつに違ったダメージを加えています。
![]() カッターの背などで切り開きます。 ![]() 切り跡は、このようにボソボソになります。 「old paper - 祈りの紙々」14×24.5cm 64ページ ¥3,780 |