home > gallery > 19世紀フランスの布展
布1
2013年12月17日(火)〜 2014年1月16日(木)
産業革命(1760-1830年頃)以降、技術の独占を目的に機械輸出を禁じていたイギリスが、ナポレオン戦争(1804-1815年)の終了後、その一部を解禁したことから、フランスにも急速な工業化が始まります。
19世紀のこの時期は、市民革命(=ブルジョワ革命 1787-1799年)によって地位を確立したブルジョワ層が、革新的に飛躍する生産背景の中での旺盛な所有欲を満たすべく、市民文化を花開かせた時代でもあったと思います。
「19世紀フランスの布」と題するこの小さな展では、この時代のブルジョワたちがこぞって自家に取り上げたであろうインテリアファブリックを中心に展示販売いたします。
お買い求めやすい小さなカット生地もたくさんご用意いたします。

フランス布1
18世紀の終わりに始まった銅版印刷による「ジュイ」のオリジナルプリント生地。
この生地が当時のブルジョワ階級の熱狂的な指示を得て、インド更紗の影響が色濃かったそれまでのプリントが、一気にヨーロッパ独自の世界に変わっていきます。
新しいものが最初に出来上がるときの力強さに溢れています。
フランス布2  フランス布3 
 フランス布4
インディゴ染め、農夫のシミーズ。
19世紀当時のつぎはぎがある貴重品です。
もとは男性ものですが、女性の方に上手に着こなしていただきたいもの。
フランス布5  フランス布6 
 フランス布8
つづれ織りタピスリーの裏面。
表面にもまして、この裏面の美しさ!
フランス布7  フランス布9 
ここまで一度にたくさんの布を集めることは、以後なかなかできそうにありませんから、記録として小さな本にまとめました。
それぞれの布に簡単な解説を付けさせていただきましたが、調べてみると布の世界は分からないことだらけで、20世紀中旬以降のプリント生地には多くの著作が見られるのですが、それ以前の時代の資料の乏しさをつくづく痛感しました。
『19世紀フランスの布』B5判 40ページ。
drop aroundさんによる写真とデザインで美しい冊子に仕上がりました。税込1,365円です。