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京ちぢみのボクサーパンツ
関美穂子さん×京ちぢみ 山城さん

「ちぢみ」と言っても若い方にはピンとこないかもしれません。繊維用語では、「クレープ生地」とも呼ばれますが、韓国料理でもデザートでもありません。昔、おじさんがスーツの下に履いていたステテコと言ったらわかるでしょうか? 軽くて薄くて表面に小さなシワ状の凸凹がある織物のことなのです。
ちぢみ生地の凹凸は、体へ触れる接地面積を少なくするだけでなく、毛細管現象で水分や老廃物まで吸収する力を持ちますので、 吸汗性・速乾性・涼感性にたいへん優れた生地です。
しかし近年では、中国などの安価な製品に押されると同時にニーズの変化も重なり、年々生産量が減少してきているのも事実です。
「伸縮する織物地であるちぢみの縫製技術はとても特殊なものです。六十年以上続く独自のノウハウを絶やさないためにも、お客様が本当に求めるものを形にしなければ。」と語るのは、三代目・稗真平さんです。
稗さんは、高校を卒業した当初には家業など絶対に継ぐもんかと思っていたのだそうです。二十一歳の時に、トラックの運転手として働いた二年半の蓄えでアメリカを放浪しました。
「すると、それまでまったく気づいていなかった、自分が生まれ育ってきた京都の良さが、はっきりと見えてきたんですね。初めて、家業を意識しました。」そして帰国後、繊維関係の会社でしばらくを過ごし、家業の山城に入社することになりました。ところが、勤務地は大分県の国東工場だと言い渡され、こよなく愛する京都を泣く泣く離れることになったのです。
工場での生活は、今までの稗さんのサイクルとはまるで違った規則正しいものでした。朝は六時起床、工場が始まる八時までに現場へ向かい、冷暖房をつけて、水蒔きをして、従業員が来るまでの下準備を済ませ、見渡すかぎり白い肌着ばかりの職場で一日中働いて、夜は十一時に就寝です。道楽息子を自認する稗さんにとって、そんな単調な毎日はとてももの足りないものに思えました。
当時、肌着は白いものと決まっていたのです。「まず自分の生活を楽しくするには?」と考えた稗さんは、商品に色ものを加えることを提案します。
何十年も白ものだけの中で働いてきたおばちゃんも、工場の中に色ものが流れ出すと生き生きとしてくる様子がわかりました。
「もっと色物を作ろう。 生地にも型紙にももっとこだわらなくては。」
そして、京都に戻ったのち、山城の京ちぢみの特質を生かして何が作れるか、試行錯誤が始まりました。Tシャツ、女性用のリラックスパンツ、スカーフと次々に新作を発表し、徐々に評価を集めるようになりました。
「手応えは感じています。道楽息子であったからこそ、ステテコで恩返しがしたい。」

倉敷意匠では、猫の企画に合わせて男性用のボクサーパンツを作っていただきました。プリントの図案は、紙モノカタログでもお馴染みの関美穂子さん。山城さんと同じく京都で活躍する型染め作家さんです。
図案の一つ「ワンダーネコランド」は、猫との同居七年の結果、「猫は丸い。」と確信したことから出来上がったものだそうで、「日頃コロコロ転がる様が丸いし、お尻も丸い。毛が抜けると、部屋の隅にふわふわと丸まる。」とのこと。
「見れば見るほど、お腹のフワフワに入りたくなる。」ので、猫のお腹が入り口のワンダーネコランドを作って、みんなでめくるめく猫の丸さを体感しようというわけです。う~ん、関美穂子ワールド全開ですね。
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